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企画室より

「染み込むもの」
染まった手とともに過ごすのは、3度目の経験になる。
1度目は、父。
鉄鋼業を営む父は、いつも油でまっ黒の手をしていた。
そのまっ黒な手で私の顔をくしゃくしゃに触っても、私の顔は黒くはならなかった。
「染み込んで取れへん。」 そう言った父の手は、爪の間から指紋の溝の奥まで黒く染まって、まるで地図みたいだった。
二度目は社会人になってから。
学生の頃から好きで仕方なかったデニムを企画する仕事に就いた。
ふと気がつくと、周りにいるデニム工場の人たちは、みんな青い手。
生地屋さんも、縫製する人も、洗い加工屋さんも、みんな指先からグラデーションのようになって、イン ディゴ色に染まった青い手をしていた。
そして、今。
バシャバシャ水の音やモンモン湯気の香る工場で、ひたすらに黒を染める職人。
京都紋付に来て、まず目に留まったのは、染め場の職人さんの黒い手だった。
春夏秋冬、透きとおった水に黒く染まった手を通して、止まることなく紋を入れる部分のメンコを洗って いる。
ただひたすらに黒のなかの黒を追究し尽した眼差。 染料が撥ねて染まった作業着は、これまたかっこいい!
いつのときも、手を染めた人たちには、ものづくりに真剣な職人気質が、染み込んでいる。
その手のぬくもりに惹かれるままにここに行き着き、まっ黒の技術を活かしたデニムを作ろうと思ったの が、BL-WHYのはじまり。
あらゆる手のぬくもりを含んだ商品は、これから渡るお客様の手によって、長い時間をかけていろんな心の色を染み込ませていってほしい。
そう思うほどにこだわった、京都紋付のデニムです。
(株)京都紋付 アパレル事業部
BL-WHY企画担当 宮原佑貴子

